もうすぐ2024年度も終わりですね。
この一年も、多くの高校を訪れ、先生方とお話ししたり、廊下ですれ違った高校生たちとちょっとした会話を交わしたりと、たくさんの出会いがありました。
StartupBaseの導入校や、不採択理由でよく言われること。
「StartupBaseに取り組むにあたってのインプットがうちの生徒は全然足りてない」
「どうしたらうちの生徒、本や新聞読むようになりますかね?」
学校にアウトプットの機会をもっとつくりたい思って作ったプログラムなのですが、
相談されるのは、もっぱらインプットのことだったりします(笑)
確かに、高校生たちにとって、社会課題やその背景、そして解決策となるテクノロジーやビジネスの知識は足りていないと感じるのは当然です。でも、そんな問いを自分に投げかけてみると、「どこまでインプットがあれば、起業体験(アウトプット)に進んでいいの?」という行き止まりにぶつかってしまうんですよね。
これが、今日のタイトルにある『逆・反転授業』の意味です。
と言うわけで、今日は、カリキュラムデザインについて考えてみたいと思います。
実は、私もインプットが得意ではありません。
Youtubeも月に1、2本、本も月に1冊程度。友人や仕事仲間から情報を聞いています。
一般常識も、興味のあることしか掘り下げないタイプです。
とある出来事で、
「アウトプットを先にして、(自分が主語になった後にする)インプットこそ意味がある」と気づきました。これが本日の意味わからんタイトル逆・反転授業です。
StartupBaseがつくるべきカリキュラムのベースはこれだ、と気づきました。
※この示唆は、新陽高校の赤司校長先生からいただいたかもしれません。赤司さんはずっと前から気づいていたのかも。
どんな出来事があったか?!
エピソード❶
とある進学校で、2日間のStartupBaseU18を行った時のことです。
受付で、名札ホルダーと一緒にA4一枚の「(年齢の近い)大学生起業家の起業ストーリー」を配りました。プログラム開始の15分前くらいから参加者が集まり始めました。
プログラムが始まるまでの間、手持ち無沙汰かなと思ったんです。
で、読むかな?と、期待するわけです。
すると見ずに、A4なのになんと丁寧に4つ折りにして(!)
リュックにしまった子もいました。
「え?まじか!」と。
ほぼ、道端でティッシュ欲しさに受け取ったチラシと同じ扱い。

その記事はその高校の卒業生の記事だったので
「起業したみんなと同じ高校の先輩の記事です!」と伝えました。
そこで、紙を取り出した子が、ちらほら。でも半数もいなかった。
「なるほどー、脈絡のないインプットってホント読まれないんだな」と気づきました。
目の当たりにすると、「Z世代の活字離れ」はもしかすると情報がテキストなのか映像なのかだけじゃなくて、情報を受け取る順番の話だぞ、と。
エピソード❷
一方で、もう1つのエピソード。
StartupBaseU18 for Schoolを1年間かけて探究で実施している学校。
全8回で、チームを作って事業を立ち上げます。
ワークブックのVol1-8の間に起業家のエピソードが載っています。
ゴミ捨てをビジネスにした(株)ピリカのCEO小島さん、StartupBase U18のOBでミールキットのサービスを売却した加藤里菜さん、評価額4兆円突破「Canva」の34歳CEO、など。
学校に行った時に「コラム面白いです!」と声をかけてくれた高校生がいたんです。
そんな最中に、成功した起業家や、身近な大学生起業家はどのようにしてサービスを立ち上げたんだろう?と。もちろん興味が湧きます。
数年前、「反転授業」という、インプットを事前に自宅で済ませ、
「アウトプット」を学校や場で実施しようというものだったと思います。
それと比べて、今回の提案を書くとしたらこんな感じです。
3年間の探究カリキュラムをデザインしている先生に何か参考になれば幸いです。
社会に出たら、どんな仕事でも、インプットとアウトプットを繰り返すわけで、
それが濃く、自分で回転が早くできればぐんぐん成長していくのではないでしょうか。